海外旅行の通信は、調べ始めると急にややこしくなります。
eSIMが便利という話もあれば、現地SIMのほうが安いという話もあります。Wi-Fiルーターが安心という人もいれば、今のスマホ回線で十分という人もいます。
でも実際に知りたいのは、自分は何を選べば現地で困りにくいのかではないでしょうか。
私は、海外旅行の通信は到着した直後に困らないことをかなり重視しています。以前、空港で売っているSIMは高いと感じて、ホテルに着いてから街で買えばいいと思ったことがありました。ところが空港のWi-Fiが弱く、Uberを呼べませんでした。空港内を彷徨った挙句、結局タクシーを使うことになり、通信費を節約をする代わり、無駄な時間と労力を使ってしまいました。
この経験から、海外旅行の通信は「最安」だけで決めると失敗しやすいと感じています。まずは現地に着いて、地図が見られること。配車アプリを開けること。ホテルまでたどり着けること。そこが安定して初めて、その先の通信手段を落ち着いて考えられます。
この記事では、eSIM・現地SIM・Wi-Fiルーターを教科書的に並べるのではなく、実際の旅行で困りにくい順番で整理していきます。
海外旅行の通信は、まず今のスマホ回線でそのまま使いやすいかを確認する
海外旅行の通信を考える時、最初に見たいのは今使っているスマホ回線で、そのまま行けるかどうかです。
たとえば、ahamoや対象プランのauを使っている人は、短期旅行なら今の回線でかなり足りることがあります。こういう人が最初から現地SIMやeSIMの比較に入りすぎると、かえって話がややこしくなりがちです。
まずは今の回線でそのまま行けるか確認する。足りなければ、その時点でeSIM、現地SIM、Wi-Fiルーターを考える。この順番のほうが、かなりわかりやすいと思います。
一方で、今の回線だけでは不安な人もいます。そういう場合は、追加の通信手段を組み合わせて考えることになります。そこで初めて、eSIMや現地SIM、Wi-Fiルーターが比較対象として効いてきます。
つまり、最初のポイントはシンプルです。「まず今の回線で足りるか」を見る。足りなければ追加手段を考える。 この順番で考えると、かなり迷いにくくなります。
短期旅行なら、今の回線をそのまま使うほうがラクなことが多い
短期旅行では、設定や手間を増やさないことにかなり価値があります。
現地に着いてすぐ、SIMを探す。設定する。うまくつながらない。空港で立ち止まる。こういう小さな面倒は、短期旅行では思った以上にストレスです。日数が短いほど、最初の1〜2時間のつまずきが旅全体の疲れに直結します。
その点、今の回線をそのまま使えるなら、到着してすぐに動きやすいです。配車アプリを開く。ホテルの場所を確認する。家族に着いた連絡をする。こうした「最初に必要なこと」がすぐできるだけで、かなり安心感があります。
私は、短期旅行ではここをかなり重視します。配車アプリや地図が使えて、ホテルまで無理なく移動できることのほうが大切だと思っています。
もちろん、今の回線だけで完全に足りるとは限りません。ただ、短期旅行では回線を増やしすぎないほうがラクです。まずは今の回線で動けるかを見る。これが基本です。
楽天モバイルは、電話用としてだけでなく到着直後の保険にもなる
楽天モバイルの良さは、私の中ではかなりはっきりしています。
ひとつは、海外から電話したい時の保険として使いやすいことです。たとえば、クレジットカード会社に連絡したい時。航空会社に電話したい時。ホテルに忘れ物の確認をしたい時。海外にいると、国際通話代が意外と気になります。こういう場面で、電話手段を持っている安心感はかなり大きいです。
もうひとつは、到着直後の通信保険として役立つことです。これはかなり重要だと思っています。
たとえahamoのような回線がなくても、楽天モバイルがあれば、空港に着いた直後に最低限ネットへつなぎやすい。そうすると、UberやGrabを呼んで、まずホテルまで移動できます。そこから落ち着いて、必要ならeSIMに切り替えたり、現地SIMを買いに行ったりすればいいわけです。
この「最初のつなぎ」があるだけで、旅行の出だしはかなりラクになります。私は、楽天モバイルをデータ通信の主役として見ているわけではありません。でも、電話の保険と到着直後の通信保険としては、かなり価値が高いと感じています。
以前はSkypeに課金して使っていましたが、楽天モバイルを使うようになってからは、ほとんど使わなくなりました。何かあった時に電話できる。到着直後も最低限つながる。この2つがあるだけで、海外旅行の安心感はかなり変わります。
コラム|私はなぜ ahamo を使っているのか
私は ahamo と楽天モバイルを基本にしていて、必要に応じて現地SIMを足しています。家族もみんな ahamo です。
家族もみんな ahamo にしているのは、ドコモ系の回線に安心感があるからです。
正直に言うと、半分は信仰心です。
長期旅行や現地番号が必要な時は、現地SIMが便利
一方で、長期旅行では考え方が変わります。この場合は、現地SIMの便利さがかなり大きくなります。
理由は単純で、滞在が長くなるほど、通信の使いやすさや料金差が気になりやすくなるからです。短期旅行なら多少の制約があっても我慢できますが、長くなると、通信の細かい不便が積み重なります。
さらに、現地SIMが活きるのは、現地番号やSMS認証が必要な時です。これは意外と見落としやすいポイントです。
たとえばカンボジアでは、PassAppというトゥクトゥク配車アプリがありました。でも、このアプリは現地SIMでSMSを受信できないと登録できませんでした。現地番号がない場合はGrabを使うことになります。Grabでも十分実用的ですが、現地SIMがあると選べるサービスの幅が広がるのは確かです。
つまり、現地SIMの価値は「安いから」だけではありません。現地のサービスを自然に使いやすくなることも大きいのです。
ただし、現地SIMはどの国でも簡単というわけでもありません。たとえばインドネシアでは、スマホのIMEI登録が必要で、現地SIMを買ってもそのままでは通信できないことがあります。こういう国では、現地SIMよりローミングのほうがラクな場面もあります。
つまり、現地SIMは、長期旅行や現地番号が必要な時に使いやすい方法です。ただし、国によっては購入や設定に手間がかかったり、すぐ使えなかったりすることもあります。
安いかどうかだけで決めるのではなく、使う日数や現地番号の必要性、国ごとの手間まで含めて考えるのが現実的だと思います。
旅行者向けeSIMは、今の回線で足りない人に合いやすい
eSIMは便利です。ただ、私は「全員にとって最優先の正解」とは思っていません。
eSIMが向いているのは、今の回線を海外で使いにくい人、物理SIMを入れ替えたくない人、現地SIMを買うほどではないけれどデータ通信は確保したい人です。そういう意味では、かなり便利な選択肢です。
とくに、長期旅行で複数の国を周遊する時は、国ごとにSIMを買い直さなくてよいタイプのeSIMだと便利なことがあります。国をまたぐたびにSIMを探したり、入れ替えたりしなくてよいのは、かなり大きなメリットです。
一方で、現地番号での電話やSMSが使えないことが多く、現地サービスの登録やSMS認証が必要な場面では不便なこともあります。つまり、eSIMは周遊旅行では便利でも、現地番号が必要な人にはそれだけで完結しにくい手段でもあります。
私自身の運用では、eSIMは主役ではありません。短期なら今の回線で行けることが多い。長期なら現地SIMを選びやすい。楽天モバイルがあれば到着直後のつなぎもある。この組み方だと、eSIMは「あると便利な中間手段」という位置づけになります。
だから私は、eSIMをこう考えています。今の回線で足りない人には合いやすい。けれど、全員にとっての基本解ではない。
家族旅行なら、Wi-Fiルーターのほうがわかりやすいこともある
Wi-Fiルーターは、少し前の選択肢に見えるかもしれません。でも、家族旅行では今でもかなり現実的です。
理由は、家族全員がeSIMの設定や回線切り替えに慣れているとは限らないからです。自分はわかっていても、家族のスマホまで全部見て、現地でトラブルが起きた時まで対応するのは意外と大変です。
そういう時は、1台のWi-Fiルーターをみんなで共有するほうがシンプルです。特に、設定が苦手な家族がいるなら、理屈よりも「わかりやすく使えること」のほうが大事になります。
もちろん、スマホのテザリングで代用する考え方もあります。ただ、実際にやると、ルーター代わりにしているスマホのバッテリー消耗はかなり早いです。海外では地図、配車、翻訳、決済でもスマホを使うので、そのスマホが親機まで兼ねると負担が大きくなります。
そのため、家族旅行ではWi-Fiルーターを「古い方法」と切り捨てないほうがいいです。むしろ、いちばんわかりやすくて、家族全体で運用しやすい方法になることもあります。
私ならこう選ぶ
ここまでを踏まえると、私の基本は 短期は ahamo+楽天モバイル、長期は楽天モバイル+現地SIM、家族旅行はWi-Fiルーターも候補 です。
楽天モバイルは、国際電話のためだけでなく、到着直後の通信保険としても持っておきたい回線です。
もし ahamo のような回線を使っていなかったら、私は楽天モバイル+現地SIMを選ぶと思います。到着直後のつなぎと電話は楽天モバイル、本格利用は現地SIMという考え方です。
しかも私は、現地でSIMを買って設定すること自体も旅行の一部として楽しめるタイプです。全員にすすめるわけではありませんが、私自身にとっては、その手間も含めて旅行の面白さになっています。
まとめ
海外旅行の通信は、eSIM・現地SIM・Wi-Fiルーターを同じ土俵で並べると、かえってわかりにくくなることがあります。まずは、今のスマホ回線でそのまま使いやすいかを確認するところから始めたほうが、ずっと整理しやすいです。
短期旅行なら、今の回線をそのまま使うほうがラクなことが多いです。楽天モバイルは、電話用としてだけでなく、到着直後の保険としてかなり便利です。長期旅行や現地番号が必要な時は、現地SIMの良さが出ます。eSIMは、今の回線で足りない人や、複数国を回る旅行に合いやすい手段です。家族旅行では、Wi-Fiルーターのほうがわかりやすいこともあります。
私自身は、海外旅行の通信は「いちばん安い方法」を探すより、着いた直後に困らないか、その後も無理なく運用できるかで選ぶほうが失敗しにくいと思っています。通信は旅の主役ではありませんが、最初につまずくと旅全体に響きます。だからこそ、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

