モバイルSuicaのアプリに「teppay(テッペイ)」という新しい機能が増え、「Suicaと何が違うの?」「今あるSuica残高を使って支払えるの?」と疑問に思った人もいるでしょう。
teppayは、モバイルSuicaアプリの中で使うコード決済サービスです。Suicaとは残高も支払い方法も別ですが、teppay残高からSuicaへチャージすることはできます。 すでにモバイルSuicaを使っている人なら、専用アプリを追加せずに始められます。
最初に覚えておきたいのは、次の3点です。
- 改札や交通系IC対応店でタッチして使うのはSuica。 teppay残高のままでは電車・バスに乗れません。
- teppayは、teppayまたはSmart Codeの対応店でバーコード・QRコードを使って支払うサービス。 Suicaが使える店なら必ずteppayも使える、というわけではありません。
- 残高移動は基本的にteppay→Suicaの方向。 Suica残高をteppay残高へ移すことはできません。
以下のサービス・操作条件は、2026年11月5日時点の公式案内に基づいています。
teppay(テッペイ)とは?モバイルSuicaに追加されたコード決済
teppayは、JR東日本グループが提供するコード決済サービスです。2026年10月20日にモバイルSuica向けにサービスが始まりました。モバイルPASMOでの利用開始は2027年春の予定です。
利用する際はモバイルSuicaアプリを開き、画面内のteppayアイコンをタップして画面を切り替えます。コンビニなどの対応店では、支払いコードを店員に見せるか、お店のQRコードを読み取って決済します。Suicaのように改札や読み取り機へスマートフォンをタッチする方式とは異なります。
teppayでは、買い物のほか、残高の送受信、モバイルSuicaへのチャージ、定期券・グリーン券などの購入にも利用できます。本人確認を済ませれば、teppay JCBプリカによる対象オンラインショップでの支払いも選択肢になります。
teppayとSuicaの違いを比較
同じモバイルSuicaアプリに入っていますが、2つの残高は自動で共通化されるわけではありません。初めて使う人は、まず次の表で整理すると混乱を避けられます。
| 比較項目 | モバイルSuica | teppay |
|---|---|---|
| 支払い方 | 改札・交通系IC読み取り機などにタッチ | バーコード・QRコードで決済 |
| 鉄道・バスでの交通利用 | 可能 | teppay残高のままでは不可 |
| 買い物で使う場所 | 交通系IC対応店 | teppay・Smart Code対応店 |
| 残高の上限 | 2万円 | 条件を満たす場合は最大30万円 |
| 別ユーザーとの残高送受信 | Suica残高を直接送受信する機能ではない | 対応。認証状況などによる限度額あり |
| 相互チャージ | teppay残高からSuicaへのチャージは可能 | Suica残高からteppayへのチャージは不可 |
旅行や通勤ではSuica、コード決済の買い物ではteppay、という役割分担が基本です。例えば、コード決済店での買い物にteppayを使い、電車に乗る前には必要に応じてteppay残高からSuicaへチャージするといった使い方ができます。
ただし、teppay残高が十分にあっても、Suica残高が足りなければそのまま改札を通れるわけではありません。チャージ操作を終えてSuica側の残高に反映されたことを確認してから乗車しましょう。
teppayの始め方|初めて利用するときの手順
1. モバイルSuicaにログインする
まず、利用中のSuicaアプリにログインします。iPhoneでは「Suica」アプリ、Androidでは「モバイルSuica」アプリが入口です。まだアプリを使っていない場合は、ダウンロードしてモバイルSuicaの会員登録を行います。すでに登録済みの人はアプリを最新版に更新してログインしてください。
2026年10月時点では、モバイルPASMO側でのteppay提供はまだ始まっていません。PASMOユーザーは、開始予定の2027年春以降の公式案内を確認しましょう。
2. 「teppay」をタップして利用を開始する
モバイルSuicaアプリの画面内にあるteppayアイコンを押し、初回の案内に従って「はじめる」へ進みます。交通系ICの画面とteppayの画面は切り替えて利用できます。
Suicaの残高がteppayに移るわけではありません。また、モバイルSuicaで使っているビューカードもteppayに自動登録されません。teppay残高へのチャージやビューカード連携支払いを希望する場合は、別途teppay側でカードを登録します。
3. 希望するチャージ方法を登録する
teppay残高に自分でチャージするには、SMS認証が必要です。認証を済ませてから「入金」で方法を選びます。SMS認証をしていなくても、他の利用者から受け取ったteppay残高を使って買い物やSuicaチャージなどはできますが、自分で入金する機能は利用できません。
銀行口座からのチャージとteppay JCBプリカの発行には、さらに本人確認(eKYC)が必要です。本人確認で使えるのは、カード型のマイナンバーカード(署名用電子証明書対応)です。署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)と、読み取り可能なNFC対応スマートフォンを用意します。スマートフォンに登録したマイナンバーカードや運転免許証は、teppayの本人確認には利用できません。
自分で残高をチャージして少額の買い物を試すなら、SMS認証と入金方法、対応店舗を確認しておきましょう。受け取った残高だけを使う場合は、SMS認証をしなくても買い物に利用できます。
teppay残高へチャージする3つの主な方法
| チャージ方法 | 準備するもの | こんな人に向いている |
|---|---|---|
| ビューカード | 対応するビューカード・SMS認証 | ビューカードを持っていて、残高をチャージしたい人 |
| 銀行口座 | 対応する口座・SMS認証・本人確認 | 銀行口座から必要な額を入金したい人 |
| セブン銀行・ローソン銀行ATM | 現金・SMS認証 | クレジットカードを使わず現金で入金したい人 |
ビューカードでチャージする
ビューカードをteppayに登録すると、teppay残高へのチャージができます。手順は、teppayの「サービス一覧」→「アカウント」→「連携サービスの管理」→クレジットカードの「登録」です。カード情報を入力し、案内に沿ってSMS認証を完了させます。
注意したいのは、モバイルSuicaにビューカードを登録していても、teppay側には別の登録操作が必要なことです。また、公式ガイドではビュー法人カードや「TypeⅡ」マークがあるカードは登録対象外とされています。登録前にカードの種類を確認しましょう。
JALカードSuicaからteppay残高へクレジットチャージした分は、2026年12月請求分からJALショッピングマイルの積算対象外となります。後述する「ビューカード連携支払い」でのJALマイル積算とは別の取引です。チャージした額と、コード決済で直接支払った額を混同しないようにしましょう。
銀行口座からチャージする
金融機関の口座を連携すれば、口座からteppay残高へチャージできます。本人確認を済ませ、teppayの「サービス一覧」→「アカウント」→「連携サービスの管理」から金融機関を登録して、金融機関側の手続きを行います。
teppayに登録できる金融機関には、JRE BANK、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行などがあります。口座登録だけでteppay残高が増えるわけではありません。口座登録後、入金画面で金額と引落口座を指定してチャージします。
セブン銀行ATM・ローソン銀行ATMから現金でチャージする
現金を使いたい場合は、対応するコンビニATMでチャージできます。teppay画面の「入金」→「現金(ATM)で入金(チャージ)」を選び、ATM側でスマートフォン取引などを選択します。案内されたQRコードを読み取り、表示される数字をATMへ入力したうえで現金を投入します。
なお、駅の券売機やVIEW ALTTEでは、teppay残高へ現金チャージできません。 Suicaへの現金チャージと混同しないようにしてください。
ギフトコードを受け取った場合の使い方
ギフトコードを受け取ったときは、teppay画面の「サービス一覧」→「ギフトコードを使う」を選び、コードを入力するかQRコードを読み取って引き換えます。コードの種類によって、teppay残高・バリチケ・商品券などの受取内容が異なります。ビューカード・銀行口座・ATMから自分でチャージする方法とは別の受け取り方です。
お店でのteppayの使い方|コードを見せる・読み取る
お店での支払いには、大きく2つの方式があります。
コードを見せる場合
teppay画面で「支払う」→「コードを表示」と進み、バーコード・QRコードをレジで提示します。レジでは「teppayで」と伝え、必要に応じて「Smart Codeのコード決済です」と店員に確認すると分かりやすいでしょう。店員が読み取った後、支払い完了画面の金額と獲得予定ポイントを確認します。
お店のQRコードを読み取る場合
teppay画面で「支払う」→「コードをスキャン」を選び、店頭にあるQRコードを読み取ります。支払金額を入力して「つぎへ」を押したら、決済確定前に店員と金額を確認してから「支払う」をタップします。
いずれも、支払う前にお店の対応状況を確認してください。teppayは「teppay」や「Smart Code」のマークがある店舗で利用できますが、同じチェーンでも一部店舗では対応していない場合があります。交通系ICのSuica対応マークだけを見てteppayも使えると判断しないことが大切です。
チャージ不要の「ビューカード連携支払い」とは?
teppayには、事前に入金した残高で支払う方法のほか、登録したビューカードを使ってコード決済する「ビューカード連携支払い」があります。ビューカードを登録したら、teppay画面の「支払う」→「コードを表示」へ進み、決済コードの下にある「お支払い方法」を左にスワイプして「ビューカード」を選択します。支払う前に表示が「ビューカード」になっていることを確認してください。
| 支払い方法 | 向いている使い方 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| teppay残高払い | 使う金額を先に入金して管理したい | 決済前に十分なteppay残高が必要 |
| ビューカード連携支払い | 毎回の残高チャージを省きたい | ビューカードの登録・利用可能枠が必要。残高・teppayポイント・バリチケ・商品券との併用不可 |
ビューカードからの残高チャージ自体にはJRE POINTは付きません。残高払いとビューカード連携払いでは、貯まるポイントの種類も異なります。ビューカード連携払いの利用額は、teppay残高払いの利用上限には含まれません。本人確認済みならビューカードの利用可能枠の範囲で利用でき、本人確認前は連携払いに別の上限が設けられます。
teppayで貯まるポイントと使い道
teppay残高でコード決済した場合、公式FAQでは決済額200円ごとにteppayポイント1ポイントが基本付与とされています。200円で1ポイントなので基本の還元率は0.5%です。teppay JCBプリカによる対象ネット決済にも、基本的に同じ付与ルールが適用されます。ポイント反映まで1週間程度かかる場合があります。
貯まったteppayポイントは、1ポイント=1円相当として1ポイントから利用できます。通常ポイントのほかに、有効期限のある期間限定ポイントもあります。残高払いでポイントを使うときは、「あなたの残高」にある「自動利用」をオンにする操作が必要です。
teppayポイントをJRE POINTに交換する方法
teppayの通常ポイントはJRE POINTへ交換できます。先にteppayの「サービス一覧」→「アカウント」→「連携サービスの管理」でJRE POINTを登録・連携し、「サービス一覧」→「ポイント交換」で交換するteppayポイント数を入力して確定します。
期間限定のteppayポイントはJRE POINTへ交換できません。交換で受け取ったJRE POINTは、鉄道利用や商品交換などに使えますが、JRE POINTステージの積算対象にはなりません。通常ポイントをそのまま買い物に使うか、JRE POINTへ交換するかで用途を選びましょう。
teppayポイントからJRE POINTへの交換
通常ポイント限定の交換手順と、交換後のJRE POINTステージ積算対象外の条件は、それぞれ公式案内で確認できます。
一方、ビューカード連携払いでは、通常teppayポイントではなく、券種に応じてJRE POINTやJALマイルなどが貯まります。 一般的なビューカードでは、街ナカで最大1%相当、対象の駅ビル・エキナカで最大3.5%相当のJRE POINT還元が案内されています。
ただし、JALカードSuicaとビックカメラSuicaカードは最大3.5%のJRE POINT特典の対象外です。JALカードSuicaの連携払いは所定のJALマイル積算対象となり、ビックカメラSuicaカードには別のポイント条件が適用されます。ルミネなど個別店舗にも例外があり、クーポン・キャンペーン適用時には別途teppayポイントが付く場合があります。
残高払いの基本0.5%と同列に比べず、利用するカードとお店の組み合わせで判断しましょう。
ビューカードの種類によるポイント差
JALカードSuicaなどは通常のビューカードと付与条件が異なります。カード・利用店舗別のポイント表で、ご自身の券種に対応する還元率を確認できます。
なお、teppay残高からモバイルSuicaへのチャージと、teppayでの定期券・Suicaグリーン券・おトクなきっぷの購入は、teppayポイントの付与対象外です。ポイントが貯まるコード決済の買い物とは分けて考えましょう。
teppay残高からSuicaへのチャージ・定期券の購入もできる
teppay残高は、モバイルSuicaへのチャージに利用できます。Suicaアプリ側でチャージする場合は、チャージしたいSuicaを表示して金額を選択し、決済方法で「teppay」を選択します。画面の案内に沿って確定すると、Suica残高に反映されます。
teppayの画面からは「交通系ICに残高移動」を選んで進むこともできます。複数のSuicaを登録している人は、どのカードにチャージするかを確認してから操作してください。完了したSuicaチャージを個別に取り消すことはできません。モバイルSuica退会時の払い戻しは別の手続きです。チャージ先のSuicaと金額を確定前に確認しましょう。
また、teppay残高を使ってモバイルSuicaの定期券やグリーン券、おトクなきっぷなどを購入できます。購入時の支払い方法にteppayを選択する仕組みです。ただし、Suica残高で運賃を支払う場合は、乗車前に必要な額をSuicaへチャージしてください。有効な定期券の区間内で乗る場合は、その区間の運賃をSuica残高から別途支払う必要はありません。また、teppayで購入した定期券・グリーン券・おトクなきっぷを払い戻す場合、返金先はteppayです。
teppay JCBプリカならオンラインショッピングにも利用可能
街のお店だけでなくネットショッピングで利用したい場合は、アプリ内で発行できる「teppay JCBプリカ」があります。発行手数料と年会費は無料で、利用にはマイナンバーカードによる本人確認が必要です。
teppayの「サービス一覧」から「バーチャルカード」を選び、規約の確認と利用開始手続きを進めます。発行後は、対応するオンラインのJCB加盟店でカード情報を入力して利用します。支払いにはteppay残高を使用するため、残高が足りないと決済できません。
ただし、JCB加盟店ならオンラインのどこでも必ず利用できるわけではありません。一部店舗や月額・継続契約などでは利用できない場合があり、本人認証が必要になることもあります。ネット決済が必要な人向けの追加機能として位置づけましょう。
家族・友人にteppay残高を送る方法
teppayでは、他の利用者に残高を送ったり、受け取ったりできます。Suicaにチャージした電子マネー残高を送る機能ではなく、teppay残高だけが送受信の対象です。
相手のteppay IDや電話番号を指定する場合は、teppayの「残高を送る・受け取る」→「送る」→「相手を指定して残高を送る」と進み、送付先と金額を選びます。送付用のQRコードやURLを作って送る方法もあります。
自分の残高を超える金額や、相手の受け取り可能額を超える金額は送れません。送付先の名前・IDと金額を確認してから確定してください。初めて送る相手には、間違った人を選んでいないか特に注意が必要です。
利用前に知っておきたい注意点
teppay残高を銀行口座へ払い出すことはできない
teppayに入金した残高を金融機関の口座へ送金・払い出しすることはできません。初回は、利用する予定のある金額だけチャージするのが扱いやすいでしょう。
Suicaをすべて払い戻して退会するとteppayも無効になる
モバイルSuicaの退会は、単にカード表示を消す操作とは異なります。退会するとteppay登録も無効となり、保有していたチャージ残高やポイントが失効します。新しいモバイルSuicaへ移行することもできません。機種変更やアプリの再インストールが目的なら、退会を選ぶ前に公式の手順を確かめてください。
teppay残高の最大30万円は誰でも使えるわけではない
公式サイトではteppay残高は最大30万円と案内されていますが、誰でも登録直後から同じ限度額を使えるわけではありません。SMS認証や本人確認の実施状況などにより、利用・送受信の上限が変わります。本人確認をすると残高の保有可能上限額が引き上げられます。高額の買い物や家族間の送金では、自分の残高、相手の受取可能額、認証状況による上限がそれぞれ関係します。
メンテナンス時はSuicaとteppayで使える機能が異なる
teppayのメンテナンス中も通常のモバイルSuicaを使える場合がありますが、teppayからSuicaへのチャージなどは一時的に利用できなくなることがあります。移動の直前に必要なチャージをしようとして困らないよう、残高を確認しておきましょう。
よくある質問
teppay残高があれば、Suica残高がゼロでも改札を通れますか?
teppay残高を運賃に直接使うことはできません。Suica残高で運賃を払う場合は、teppayからSuicaへチャージしてから乗車します。すでに有効な定期券の区間内で乗る場合などとは区別してください。
モバイルSuicaを残したまま、teppayだけ退会できますか?
teppayだけを退会することはできません。機能の一時停止は可能です。モバイルSuicaそのものを退会すると、teppayの登録も無効になり、残高やポイントが失効するため、操作を間違えないようにしましょう。
支払いコードが表示されないときは?
通信環境が不安定な場合、支払いコードが表示されないことがあります。通信状態を確認し、少し時間をおいて再度表示します。お店のQRコードを読み取れない場合は、teppayに対応した決済用コードかを確認し、二重決済を避けるため利用履歴も確かめましょう。
まとめ|まずはSuicaとの役割分担を知るのが近道
Suicaは交通機関でのタッチ、teppayは対応店でのコード決済。残高は別々です。電車で使うお金はSuicaに用意し、teppayでは支払い元として残高かビューカード連携払いを選びます。
初回は、①モバイルSuicaでteppayを開く→②利用する支払い方法に必要なSMS認証・本人確認と支払い元の登録を済ませる→③teppay・Smart Code対応店で少額の買い物をする、という順に進めると分かりやすいでしょう。ビューカード利用者は、券種によってポイント付与条件が変わることも覚えておきましょう。
teppayを使い始めたら、2026年のteppayキャンペーンの参加条件も確認できます。
JRE BANKを利用している人には、JRE BANKの4割引券とteppayチャージの条件を別記事にまとめています。
特典だけを理由に必要以上のチャージをせず、まず使う金額と支払い方法を決めましょう。




