ANAのスーパーフライヤーズカード(SFC)やJALグローバルクラブ(JGC)を持っている方には、SAS(スカンジナビア航空)のステータスマッチという選択肢があります。Goldは199ユーロ(約35,100円)。審査に通ればSASのGold資格を取得し、航空会社グループ「SkyTeam(スカイチーム)」の上級区分「Elite Plus」として、エールフランスや大韓航空などの対象便でエコノミークラスでもラウンジや優先サービスを使えるのが魅力です。
「ステータスマッチ」とは、すでに持っている航空会社の上級会員資格を使い、別の航空会社の上級資格を申請する仕組みです。今回のSASでは追加の搭乗チャレンジは必要ありませんが、申請できるランクは元の資格によって異なり、審査と申請料があります。ANA SFCならDiamondも申請対象ですが、通常のJGC(Global Club)はGoldが対象です。
SASの会員制度は「EuroBonus(ユーロボーナス)」といいます。GoldもDiamondも、SkyTeam(スカイチーム)では同じ上級区分「Elite Plus(エリートプラス)」です。Diamondは349ユーロ(約61,500円)で、Goldとの差額は150ユーロ(約26,400円)。空港の共通特典だけでなく、SAS独自の割引や当日の予約変更を使うかが選ぶポイントになります。
日本在住者もANA SFC・JAL JGCなどの対象資格から申請できます。ただし、持っている資格によって申し込めるSASランクは異なります。制度・対応資格・公式特典は2026年10月27日時点、円換算は10月26日のECB参考レート(1ユーロ=176.15円)を基準とした目安です。カード決済時の請求額とは異なります。
結論:Gold・Diamond・見送りの選び方
- Gold €199(約35,100円):SkyTeam加盟便をエコノミーで利用し、対象ラウンジ・優先チェックイン・優先搭乗を使う。決め手:GoldとDiamondは同じSkyTeam Elite Plus
- Gold €199(約35,100円):シンガポール航空の対象便で提携ラウンジや手荷物優待を使う。決め手:SASとシンガポール航空の個別提携特典はGold以上が対象
- Diamond €349(約61,500円)も比較(元資格がDiamond対象の場合):SAS便を繰り返し利用し、ポイント払い・当日変更を活用する。決め手:SAS独自特典が€150(約26,400円)の差額に見合うか
- 今は申し込まない:対象便の予定がない、すでに同じ施設を利用できる資格・航空券を持つ。決め手:追加で使う特典がなければ費用の効果が小さい
SkyTeamはSAS・エールフランス・KLM・大韓航空などが加盟する航空会社グループです。SkyTeam Elite Plusは、そのグループの対象便に乗るときに対象ラウンジを利用できる上級資格です。ラウンジとは別に、空港での優先サービス「SkyPriority」として、優先チェックイン・優先搭乗・預けた手荷物の優先受け取りなどを利用できます。保安検査などの優先レーンは対応する空港に限られ、追加の受託手荷物などの会員特典にも搭乗航空会社・路線・運賃による条件があります。ANAが加盟するスターアライアンス、JALが加盟するワンワールドとは別のグループなので、ANA便・JAL便の特典がそのまま増える仕組みではありません。
日本在住者は対象。ANA SFCとJAL JGCの対応資格を確認
今回のSASステータスマッチ専用規約では、申請できる居住国が一覧で指定されており、日本(Japan)も含まれています。対象国は予告なく変わる場合があるため、申し込む直前に居住国が一覧にあるか確認してください。元の資格は公式の対応表に掲載された正式ランクである必要があります。
JALの資格名には、JMB(JALマイレージバンク)のランクと、JGC(JALグローバルクラブ)会員の「Global Club」が付くランクがあります。名前が似ていても、同じ資格として申し込めるとは限りません。続く一覧から、会員証に表示された正式名称を探してください。
- ANA Bronze:Silver €89(約15,700円)
- ANA Platinum:Gold €199(約35,100円)
- ANA Diamond・Super Flyers(SFC):Diamond €349(約61,500円)、またはGold €199(約35,100円)
- JMB Crystal:Silver €89(約15,700円)
- JAL Global Club・Global Club Crystal・Global Club Sapphire:Gold €199(約35,100円)
- JAL Global Club Premier・Global Club Diamond:Diamond €349(約61,500円)、またはGold €199(約35,100円)
ANAのSFCは、公式一覧では「Super Flyers」と書かれています。この資格があればSASのDiamondを申請できますが、Goldも選べます。SkyTeam便でラウンジや優先チェックイン・優先搭乗を使うことが目的なら、Diamondの349ユーロ(約61,500円)まで払わず、Goldの199ユーロ(約35,100円)で足りるかを先に確認しましょう。JAL Global Club(JGC)とGlobal Club SapphireはGold対象、JGC Premier・JGC DiamondはDiamondまたはGoldを選べる対象です。
JGCに入っていないJMB Sapphire・JMB Diamondは、公式の対応一覧に独立した資格として掲載されていません。 JGCのGlobal Club Sapphire・Global Club Diamondを持つ人とは申請先のランクが異なる可能性があるため、会員証の正式名称を照合しましょう。JMB Crystalの対応先はSAS Silverです。
SAS SilverはSkyTeam Eliteで、Gold・DiamondのElite Plusとは異なります。 Silver資格だけではGold以上のElite Plus向けラウンジ・SkyPriority特典は付きません。ANA Bronze・JMB Crystalからの対応先はSilverで、対象資格にないGoldを料金だけで選ぶことはできません。
SilverとGold以上の違いを公式で確認
SAS SilverはSkyTeam Elite、Gold・DiamondはElite Plusです。元資格ごとの申込可能ランクも確認できます。
申請元としてSkyTeam加盟会社、シンガポール航空、TAPポルトガル航空、エティハド航空の資格は対象外です。申請に使うStatusMatch.comの会員登録は18歳以上が条件で、申請者の氏名はSAS EuroBonusの登録名義と一致している必要があります。申請時には資格カードの画像や本人確認書類の提出を求められることがあります。
ANA SFCを持っている人は、SASに申請する前にANA側の特典も確認しましょう。ANAは2026年9月に制度の見直しを発表し、2028年4月から「SFC PLUS」と「SFC LITE」の新区分を始める予定です。ANA便中心ならSFC LITEでも条件付きで利用できるラウンジがありますが、他のスターアライアンス加盟航空会社で受けられる特典はSFC PLUSと異なります。SASのSkyTeam Elite Plusは別の航空会社グループの資格です。自分がどの航空会社に乗るかで比較しましょう。
Gold約35,100円、Diamond約61,500円:日本円ではいくら?
2026年10月時点の日本居住者向け通常料金は、Silver €89(約15,700円)、Gold €199(約35,100円)、Diamond €349(約61,500円)です。インド・ポーランド居住者向けの割引額は日本居住者には当てはまりません。
- Silver:€89(約15,700円)
- Gold:€199(約35,100円)
- Diamond:€349(約61,500円)
- 差額(Diamond − Gold):€150(約26,400円)
換算の根拠はECB(欧州中央銀行)の2026年10月26日参考相場、1ユーロ=176.15円です。100円単位に丸めた目安で、海外事務手数料やカードの決済レートを加えた最終請求額ではありません。
公式FAQでは申請料は審査中に仮押さえされ、承認された場合に決済される方式と説明されています。制度の条件・料金はSAS公式FAQと実際の申請画面で確認できます。
GoldとDiamondの違い:同じElite PlusでもSAS特典は別
- SkyTeam会員区分:Gold・DiamondともにElite Plus
- 対象ラウンジ・SkyPriority:Gold=利用対象 / Diamond=Goldと基本共通
- SAS便のボーナスポイント上乗せ:Gold=+50% / Diamond=+75%
- ポイント払いの対象通常航空券の割引:Gold=10% / Diamond=30%
- 座席アップグレード入札(SAS Upgrade)の落札チャンス:Gold=20%アップ / Diamond=30%アップ
- 出発当日の変更:Gold=通常条件 / Diamond=対象条件で無料変更
- EuroBonusポイントの期限:Gold=通常の規則 / Diamond=失効なしの優遇
- SASの特典航空券(Bonus旅行)の予約手数料:Gold=通常の規則 / Diamond=無料
- SASエコノミーでのドリンク:Gold=通常の規則 / Diamond=無料の対象あり
- 他者への資格プレゼント:Gold・Diamondともに今回のマッチでは利用不可
- Lifetime Gold・Diamond算入:Gold・Diamondともにマッチ取得年度は算入外
「ポイント払いの対象通常航空券」とは、SASの通常の航空券をEuroBonusポイントで支払う場合の対象商品です。一方、「Bonus旅行」はポイントで予約する特典航空券を指します。Goldの10%・Diamondの30%割引を、すべての特典航空券に当てはめられるわけではありません。 なお、SAS Upgradeの20%・30%は落札チャンスの優遇率で、入札額の割引やアップグレードの確約を意味しません。
通常のDiamond会員特典と異なり、今回のステータスマッチでは他人に会員資格を贈れません。
エールフランスや大韓航空などのSkyTeam便に乗るだけなら、Goldで最上位の共通区分Elite Plusを利用できます。Diamondを選んでもSkyTeamの共通資格がさらに上がるわけではありません。
Goldのラウンジ特典を具体例で確認
国際線エコノミーなら、出発・乗継空港の対象ラウンジ
Goldでも、SkyTeam加盟航空会社の対象国際線をエコノミークラスで利用するときにラウンジ特典を使えます。 対象は当日の国際線出発便や所定の同日乗継などで、入れる施設は便・空港によって異なります。SkyTeam共通ルールでの同伴者は、本人と同じSkyTeam運航便に搭乗する1名までです。SAS直営ラウンジには別の家族・到着時利用ルールがあるため、区別して確認しましょう。
例えば、大韓航空の成田発ソウル行き国際線を利用するなら、成田空港第1ターミナル中央ビル3階(国際線保安検査後)のKALラウンジが具体例です。エコノミークラスでも対象になり得ますが、予約便・会員資格・利用ターミナル・営業時間を確認しましょう。同伴者1名は本人と同じSkyTeam運航便への搭乗が条件です。別アライアンス便への搭乗だけではSkyTeam共通特典は使えません。
SAS直営ラウンジは、SkyTeam共通のラウンジとは同伴条件が異なります。 Gold・Diamond会員は、本人と同じSASまたはSkyTeam便に搭乗する一般の同伴者1名、または配偶者・パートナー・親・子どもなどの近親者最大4名を同行できます(両枠は合算不可)。一部の施設では、SAS DiamondでSAS便に到着した場合や、Goldでアジア・北米から直行して到着した場合の到着時利用も対象です。すべてのSkyTeamラウンジに共通するルールではないため、施設ごとのSAS公式条件を確認しましょう。
国内線の対象ラウンジ:CDG、GMPなどの実例
2025年4月にSkyTeam Elite Plusの国内線ラウンジ特典が始まり、指定された施設では国内線だけの旅程でも利用できるようになりました。空港の全ラウンジに広がった制度ではなく、参加施設が定められています。
- パリCDG:Air France Lounge。場所:ターミナル2F/2G
- ソウル金浦(GMP):Korean Air Lounge。場所:国内線ターミナル4階、11番ゲート付近
- ジャカルタCGK:Garuda Indonesia Lounge。場所:ターミナル3国内線エリア、中2階
例はSkyTeamの2025年10月版・国内線ラウンジ参加一覧によります。利用する航空会社、便、現在の対象施設、出発ターミナルをそろえて判断してください。空港に施設があるだけで、別ターミナルから自由に入れるとは限りません。
入室は通常出発3時間前から。乗継なら別の規定
SkyTeamの対象出発ラウンジは原則として出発予定時刻の3時間前から利用できます。例えば14時発なら11時が目安。同日のSkyTeam便間で乗り継ぐ場合は、乗継中の別のアクセス規定が適用されます。SAS公式のラウンジ入室時刻の案内も参照できます。
シンガポール航空にもGoldの提携特典。SINのラウンジ名に注意
SASとシンガポール航空は個別に提携しており、Gold・Diamond会員はシンガポール航空の対象便でも、優先チェックイン、手荷物優先、追加の受託手荷物1個(20kg)、対象ラウンジを利用できます。同伴者は同じ便に搭乗する1名まで。SAS公式の提携特典では優先搭乗を一時停止中と案内しています。
- シンガポール・チャンギ(SIN):英語版:KrisFlyer Gold Lounge
日本語版:SilverKrisラウンジ(公式表記が不一致)。場所:ターミナル2・3 - バンコク(BKK):SilverKris Lounge。場所:国際線ターミナル、D7ゲート向かい
- ソウル仁川(ICN):SilverKris Lounge。場所:ターミナル1、出発階4階
シンガポール・チャンギ(SIN)では、どのラウンジへ入れるかを事前に確認してください。 SAS公式の英語版一覧はKrisFlyer Gold Lounge、日本語版一覧とシンガポール航空の提携案内はSilverKrisラウンジと記載しており、両者は別の施設です。この表記の不一致があるため、Gold・Diamond資格だけでどちらか一方や両施設への入室を確約できません。利用前に搭乗便・資格・対象施設をSASまたはシンガポール航空へ確認しましょう。これはSkyTeam共通ではなく、個別提携の特典です。
シンガポール航空との提携・空港別ラウンジ
SINの対象施設名はSAS公式の英語版と日本語版で異なります。同行者・受託手荷物・優先搭乗休止の条件も出典で確認できます。
Diamondに約26,400円を追加して払う価値はある?
追加料金は150ユーロ(約26,400円)です。違いの一つは、対象となる通常航空券をEuroBonusポイントで支払う場合の割引率。仮に通常30,000ポイント必要な対象航空券なら、Goldは10%引きで27,000ポイント、Diamondは30%引きで21,000ポイントとなり、DiamondならGoldより6,000ポイント少なく済みます。 ただし、この差が役立つのはEuroBonusポイントを保有し、対象の通常航空券の支払いに使う人です。SASの特典航空券「Bonus旅行」などには同じ割引率をそのまま適用できません。
また、SAS便のボーナスポイントの計算基準が仮に1,000ポイントなら、Goldの50%上乗せで500ポイント、Diamondの75%上乗せで750ポイント。追加分の差は250ポイントです。搭乗回数が多くなるほど差が積み上がりますが、ポイントを現金と同じ価値で計算することはできません。
対象の当日無料変更やポイント失効防止も実際に活用する人なら、Diamondの追加料金に意味が出ます。一方、SAS便やEuroBonusポイントを利用する予定がなく、SkyTeam便の空港特典が目的なら、同じElite Plusを得られるGoldが有力です。追加150ユーロ(約26,400円)を払うかは、対象となるSAS独自特典を使う予定で判断しましょう。
申請手順と有効期間:出発直前の申し込みは注意
申請の入口はSASステータスマッチ公式ページです。 先にEuroBonus会員番号、元の航空会社の会員番号、連絡できるメールアドレスを用意しましょう。資格カードの画像やパスポートなどの本人確認書類を求められる場合もあります。申し込む前に公式ページで受付状況を確認してください。
- EuroBonusの会員登録・会員番号と資格年度の終了日を確認する。
- 公式対応表で自分のSFC・JGC等が申し込めるランクを特定する。
- 公式申請ページで居住国・元資格・希望するSASランクと申請料を確認し、画面の案内に従って必要情報を提出する。
- 審査結果のメールを受け取り、承認後はEuroBonus口座の会員ランク表示を確認する。
- 資格が反映されたら予約便の会員番号と、利用予定ラウンジの条件を確認する。
公式FAQでは必要情報の提出後3日以内に承認可否の通知、承認後にEuroBonus口座へ資格が表示されるまで最大10営業日かかるとされています。翌日のフライトでラウンジを使う前提での直前申請は避けるべきです。
資格の有効期間は承認日から一律2年間ではなく、現在のEuroBonus資格年度の残り+次の12か月です。例えばEuroBonus資格年度が2027年3月末で切り替わる人なら、承認後の残り期間と2028年3月末までが対象です。資格年度が異なれば期限も変わります。
受付終了日は未公表ですが、受付人数には上限があり、定員に達すると終了します。 2026年11月4日時点で公式申請ページに申請案内が掲載されていますが、実際の受付状況は申請画面で確認してください。今回のマッチは、現在保有しているのと同じEuroBonusランクを延長する目的には使えません。マッチ取得年度はLifetime Gold・Diamondの算定に含まれず、他者へ資格をプレゼントする特典も利用できません。
まとめ:SFC・JGCからの申請は旅行予定を先に決めよう
筆者はANA JCB SFCゴールドを保有しています。SFCを持っていてもSkyTeam便のラウンジ資格が付くわけではないため、今回のようなステータスマッチは利用する航空会社が変わる際の選択肢になります。ただし、今回のSASマッチに筆者が申請・取得・利用した実績はありません。
SkyTeamの対象便をエコノミーで利用し、ラウンジや優先チェックイン・優先搭乗を使いたいならGoldから比較。SAS便・ポイント支払い・当日変更などの独自特典も使い、元資格がDiamondの申請対象ならDiamond。対象となる航空券がなければ、今は申し込まないという選択が合理的です。
すでにビジネスクラス航空券や他のSkyTeam上級資格で同じラウンジを利用できるなら、重複する特典のためだけに料金を払う必要はありません。申し込む場合は、自分の資格・利用便・空港・有効期間を確認してから判断しましょう。
長期的に別の方法でSkyTeam Elite Plusを取得するなら、年ごとのカード利用額が条件となるデルタアメックスゴールドとも比較できます。




